6月の定例会では、多田会員による「商売道具としての生成AI」をテーマとした講演が行われました。生成AIに関するセミナーは数多く開催されていますが、今回の講演は実際の中小企業支援の現場で培われた経験に基づく内容であり、大変実践的で分かりやすいものでした。
多田会員は、横浜中小企業診断士会がお世話になっている神奈川県内の某信用金庫において、経営者向けのAIセミナー講師を務められた経験をお持ちです。その経験を踏まえ、比較的年齢層の高い経営者の方々にも理解しやすい形で説明されていたことが非常に印象的でした。特に、「生成AIは難しいもの」「パソコンに詳しくないと使えないもの」という先入観を払拭する内容であり、実際にはスマートフォンだけでも十分に活用できることを具体例を交えて紹介されました。
なかでも参加者の関心を集めたのは、スマートフォンを使ったチラシ作成のお話でした。従来であれば専門ソフトやデザイン知識が必要と思われていた販促物作成が、生成AIを活用することで短時間かつ手軽に行えることが示され、経営者の方々からも大変好評であったとのことです。私自身も、中小企業経営者の中にはパソコン操作に苦手意識を持つ方が少なくないことを考えると、このようなスマホ中心の活用法は非常に有効であると感じました。
また、多田会員ご自身も複数の優良なAIサービスを組み合わせながら活用しているとのお話がありました。生成AIは万能ではなく、それぞれ得意分野や特徴が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要であるとの説明は大変参考になりました。
さらに印象に残ったのは、生成AIとの向き合い方についてのお話です。多田会員は、「AIがうまく反応してくれなくても怒ったりしないこと」が大切であり、「ここが違うのではないか」と具体的に指摘しながら、丁寧に会話を重ねていくことが良い結果につながると説明されました。AIも一方的に怒られると、反応が消極的になっていくそうです。生成AIは人との対話に近い形で改善を重ねていくツールであり、一度で完璧な答えを求めるのではなく、対話を通じて精度を高めていく姿勢が重要であることを改めて認識しました。
生成AIは今後ますます中小企業支援の現場でも活用が進むと考えられますが、今回の講演は単なる技術紹介にとどまらず、実際の経営支援や経営者とのコミュニケーションにどのように活かしていくかを学ぶ貴重な機会となりました。
多田会員、ありがとうございました。とても有意義なセミナーとなりました。
